SCP-1682-JP -救難信号

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SCP-1682-JP-D

アイテム番号: SCP-1682-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1682-JPの入り口は現在、完全に封鎖されています。そのため、SCP-1682-JPの入り口を封鎖している物品の撤去方法が現在も審議されています。封鎖以前の特別収容プロトコルに関しては、以下を参考にしてください。

説明: SCP-1682-JPの入口は、SCPS"ラモール"内に存在しています。その入口はハッチ、船舶室の扉などの形状を模しており、財団は現在までに4つのポータルを発見しています。財団はそれらをSCP-1682-JP-Aから-Dと呼称しています。SCP-1682-JP-Aから-Dより進入する事が可能な、別次元に存在している平行世界がSCP-1682-JPです。

SCP-1682-JPは、財団が存在している基底世界と酷似しています。そのため、報告書内ではこの世界を「亜世界」と呼称します。当該オブジェクトは現在までの進入調査において、物理法則、大気の化学組成、自然環境がほぼ意味的に同様である事が確認されています。ただし、歴史上のイベントにおいては、現時点で生存が確認されている人物が、SCP-1682-JP内部では恒久的な機能停止を起こしている事実から、非常に大きな差異が存在している事に留意してください。この亜世界に物体が進入を行った場合、以下のような異常性が発生します。

  • 急速な身体、及び内臓器官の腐敗。これらは進入を行った生物(以下、被験者と称します)の機能の全停止に直結します。
  • 被験者が有している治療痕、及び損傷箇所の再現。これらは身体的損傷や大量出血による、機能停止に直結します。
  • 被験者がこの亜世界内部に持ち込んだ物品に対しても、同様に腐敗や損傷個所の再現が行われます。これにより、特定の機器以外の持ち込みは禁止されています。

SCP-1682-JP-1は当該オブジェクトの地表において生活している人類であり、現時点で基底世界の約1/4の数が存在している事が調査により判明しています。SCP-1682-JP-1は当該オブジェクトにおける異常性の影響を受ける事はありません。ただし、当該オブジェクトの異常性以外の要因での身体の損傷、及び機能不全による恒久的な機能停止の様相が確認されている事から、SCP-1682-JP-1は根本的な身体構造は基底世界におけるヒトと相違はないと推測されています。

また、特筆すべき点としてSCP-1682-JP内部には財団に相当するコミュニティが存在しています。報告書内では、それらを「亜財団」と呼称します。この亜財団も、SCP-1682-JPの入口の存在、及び基底世界を認知しており、我々と同様に当該オブジェクトを含めた異常物品に関して確保、収容、及び保護を行っている事が調査により判明しています。

当該オブジェクトのこれらの異常性の下に、前述した亜財団との、異常物品に関する共同収容体制の提案、整備のためのワダツミ計画が実施されました。ワダツミ計画に関しての詳細は以下の文章を参照にしてください。



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財団公式文書
「ワダツミ計画」
[凍結済み]

前書: SCP-1682-JP内部の調査を行うため、有人の短期間の潜入計画が立案されました。SCP-1682-JP内部に存在しているとされる亜財団と協力体制を取り、当該オブジェクト並びに、その他の異常物品に関する共同収容体制を完成させる計画です。

抜粋: この計画はSCP-1682-JP内部における8回の潜入記録を元に、潜入人員及び物資の選定が行われました。詳しくは別紙:1682-JP潜入記録を参照してください。

計画内容: 現在までの潜入記録において、SCP-1682-JP内部に投入した際、以下の要素を満たしている人員、及び物品のみが当該オブジェクトの異常性の干渉の度合いが比較的軽度である事が確認されています。

  • 実年齢が非常に若く、また、現在までに何らかの疾患及び、一時的な機能停止に至るような損傷を負った経験がない者。SCP-1682-JP内部における腐敗の進行、及び損傷の再現を最低限に抑えられるため。
  • 製造されてから1年以内の物品、可能であれば製造直後の物品が望ましい。これも人員と同じく、腐敗の進行、及び損傷の再現を最低限に抑えられるため。
  • 上記の条件を満たした上で、計画立案時点でセキュリティクリアランス3以上を有している者。SCP-1682-JP内部の亜財団との提携において、既存の異常物品に関する知識は潤沢である必要があるため。

上記の条件を満たした上で、当時30歳であったカツウラ博士 - [IDNo.D3048]が適任であるとされ、カツウラ博士は本人の了承と同時に、ワダツミ計画代表責任者に任命されました。
以下はカツウラ博士に対する評価と、計画に際して搬入された資材の一覧、並びに計画スケジュールとなります。

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カツウラ博士の人事評価

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搬入資材一覧


11/10/27: 第1次潜入に基づいた搬入物品の制作開始。第1次潜入終了までの期間は1カ月とし、それ以上のカツウラ博士の滞在は認められない。

11/11/20: 第1次搬入物品の製作終了。搬入準備。

11/11/24: 第1次潜入開始。

11/12/09: 第1次潜入における途中報告。必要物資などの追加投入。

11/12/24: 第1次潜入終了予定。交渉が難航していた場合、1カ月まで滞在日時の追加と物資の追加投入を行う。第一次潜入において、亜財団との相互通信が可能になる事が期待される。

12/01/04: 第2次搬入物品の製作開始。基本的な物品は第1次と同様であり、必要に応じて追加物品の製作を行う。

12/01/28: 第2次搬入物品の制作終了。搬入準備。

12/02/04: 第2次潜入開始。

以下同様に、1カ月に1度程度調査を行い、亜財団との協力体制の樹立を目標とする。

カツウラ博士の喪失、並びにSCP-1682-JPの閉鎖を以てワダツミ計画は凍結されました。この計画において消費された人員、及び物品の回収は行いません。

以下はカツウラ博士によって報告された音声記録を文章として書き起こした物です。一部の情報においては規制がかけられている事を留意した上で閲覧してください。

第一次途中報告

報告いたします。

初めに、亜世界にはもう一人、「私」が存在しています。名前、学歴、SCiPへの曝露経験、並びに財団への雇用経歴までもが一致しています。つまり、SCP-1682-JPには我々と全く同じ、映し鏡、とでも例えればよいのでしょうか、そう言った人類が存在しています。私は彼を、自身との区別をつけるためにSCP-1682-JP-2とこの報告内では呼称させていただきます。

ハッチから侵入し、周りを見回すとそこはどこかの井戸でした。どうやら、ポータルの形状は一致していないようです。まず私は自身の状態の確認を行いました。そして周囲の確認をした時、その場にいたのが機動部隊と思わしき集団と、SCP-1682-JP-2です。後から聞きだす事のできた話ですが、亜財団も、このポータルに関して投入実験を行う計画を立案していたようです。最初はお互いにパニックに陥りました。その直後、私は集団によって鎮圧され、録音器具等を全て一時的に剥奪された上で、かの「財団」へと移送されました。到着後、すぐに報告を行えなかったのはそのためです。

そこで目隠しをされた上で、部屋に通されました。そこは我々がいつも、人型対象などへのインタビューを行う際に使用する部屋で、私も見覚えのあった部屋です。インタビューを行ったのは若い女性の研究員でした。そこで私は、交渉を行いました。結果として、その際は女性とその場のスタッフだけではその提案に関する決定を行う事ができないとして、その日は私は収容室内に移されました。

翌日、SCP-1682-JP-2が収容室の前にやってきました。その際、少しばかり世間話をしました。お互いに顔も体形も同じ人間と話すのは不思議な気分であると彼は苦笑を浮かべている様子でした。暫くすると、再び昨日の女性の研究員が現れ、目隠しを施された上で、私は部屋に通されました。

通された部屋は昨日とは違う部屋でした。部屋の中には初老の男性が座っていました。私は彼に見覚えがありました。私の上司のシゲサト博士です。その男から自己紹介を受けた時、私は最初に言った、我々の世界の人間と同じ人類が亜財団には存在している確信を得ました。そして彼から再び質問を受けました。私は悩みましたが、信頼関係を構築する以上、行わなくてはならない事として、ワダツミ計画に関しての詳細を話しました。私が話し終えた事を確認すると、男は部屋から出て行き、どこかへと連絡を行ったように見えます。そしてその日は収容室に戻されました。

そこからは長い闘いでした。信頼を得るために、私が覚えている限りの財団の話をしました。収容室内で論文を書き上げました。このように、私に元の世界との通信、及び報告が許されたのはそれから一週間後の事でした。

そうして今、私はこのように報告を行っています。亜財団側からの情報の規制が存在するために、これ以上の報告を行う事はできません。ただし、ワダツミ計画に関しては、いずれ連絡信号をそちらに送り、詳細を詰めると約束を行う事ができました。それがいつになるかはまだ未定ではありますが、出来るだけ早い段階で信号の送信を行えるよう、尽力します。

第一次終了報告

まずは、報告が非常に遅れてしまった事を許してください。

更なる信用を得るために、私は財団にとっていくつかの機密事項を、彼らに教えました。それは、亜財団にとっても共通の事項であったようで、彼らは納得した様子を見せています。また、どちらの世界にも共通して存在しているSCiPの収容方法についても、伝えました。こちらは、亜財団においては未だ確立されていない収容方法であったためか、驚いた様子を見せていました。

その甲斐もあってか、ようやく私はそちらへの帰還、及びワダツミ計画における話し合いの場を設ける事ができました。私の帰還後、7日間の猶予の後にこのような信号通信において話し合いを行いたい、との事です。この話し合いについては、責任者の私よりも更に上の立場、つまりO5クラスの出席を亜財団は要求しています。もちろん、対等な話し合いの実施のため、亜財団もO5クラスの出席を行うそうです。詳細に関しては、帰還時に私から資料を提出いたします。

また、以降のSCP-1682-JPへの派遣人員も、基本的には私一人にして欲しいとの事でした。この条件を飲まない限りは、ワダツミ計画の要請を拒否するとの事です。私自身は、計画通り、適合人員が発見されない限りは私一人で調査を行う事を考えていたため、この条件に関しては承諾の意志を示しました。そちらに関しても、話し合いの場にて決定を行いたいと亜財団は主張しています。以上、報告でした。帰還予定は二日後となっています。

第二次途中報告

報告します。ワダツミ計画における、協力体制についての樹立は問題ありません。そのため、今回は亜世界における生活様式についての報告となります。

まず、SCP-1682-JP-1は私達の世界に住む人類とほぼ同じ生活様式を有しています。ただ、[コード - ワダツミの提示が必要です ]。このような特徴は私達の住む世界の人類には見られず、また、そういった言葉による表現も私は見た事がありません。引き続き、それらに関しての情報を集めたいと思います。

また、そのような物が存在するせいか、亜世界の歴史イベントは非常に大きな差異を有しています。それらのデータの収集も行い、比較を行う事も予定しています。亜世界の人口が非常に少ない事も、この事に起因するのでしょう。

更に、SCP-1682-JP-2、並びに第一次報告時に私が出会ったシゲサト博士は90%以上の確率で同一人物である事がわかりました。やはり、この世界の人類の一部は、私達の世界の人類の一部と同期を発生させているようです。つまり、[コード - ワダツミの提示が必要です ]に利用する事ができるのではないでしょうか。そのために私は、次回の調査において[5秒ほどの沈黙]「腐敗実験用機材」の搬入を進言したいと思っております。つきましては、帰還した際に詳細をお話いたします。

以上が現在の調査にて判明した点です。次回の報告は二週間後となります。

第二次帰還報告

報告します。[コード - ワダツミの提示が必要です ]、という表現についてまた新たに判明した事の報告を行います。

[コード - ワダツミの提示が必要です ]は私達の世界においては一般的には機能停止、という言葉と同義だそうです。SCP-1682-JP-1も、SCP-1682-JPに進入した私達の殆どがそうなってしまったように、恒久的な機能停止を起こします。その場合に、このような表現を用いるそうです。

このような状態になってしまった人類を、私達はトルオール半固定物質化装置、並びにアズバンド粒子分解槽にて保管しますが、SCP-1682-JP-1は儀式的な手順を以て、それらを燃焼し、地面に埋める事で保管を行うそうです。実際に、亜財団内でSCiPに曝露してしまった人間を、そのような方法で保管している様子を、私は何度も目にしました。そのため、トルオール半固定物質化装置、もしくはアズバンド粒子分解槽の存在を確認しましたが、それらは存在していないようです。

その時の、彼らの顔が忘れられません。私は何か、間違った事をしてしまったのでしょうか?


 

 
コード - ワダツミ送受信プログラム

 
このワダツミ送受信プログラムは、ワダツミ計画が実施されていた当時に使用されており、現在は完全に凍結されています。再起動にはコード - ワダツミの提示が必要となります。閲覧端末のID情報において、コード - ワダツミの提示、並びに送受信プログラムの起動を行いますか?

 
 


 
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