SCP-915-JP -母星

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SCP-915-JP内のレンズ式投影機

アイテム番号: SCP-915-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-915-JPが設置されている施設、及びその周辺へカバーストーリー「事故による廃館」を適用し、一般人の立ち入りを禁止してください。また、当該オブジェクトの入り口は常に施錠し実験以外では立ち入る事のないようにしてください。今後SCP-915-JPの入り口を閉めた場合の調査は、レベル3以上の職員2人の許可を必要とし、被験者にはDクラス職員を用いてください。

説明: SCP-915-JPは北海道██に存在していた水族館と天体博物館の複合施設「国立海洋星体館」に外付けされたプラネタリウムです。内部構造は一般的なプラネタリウムと同程度であり、直径は約20mで200席。水平式の投影ドームが採用されており、中央に19██年製のレンズ式投影機が設置されています。「国立海洋星体館」は199█年時点で既に閉館されており、博物館としての活動は放棄され、展示されていた美術品等は全て財団によって回収されています。

SCP-915-JPは人間が内部に立ち入り、入口のドアを閉める事によってその異常性を示します。ドアが閉められると同時に、内部に立ち入った人間(以下被験者)は当該オブジェクトからの脱出が不可能となります。被験者を脱出させるあらゆる試みは失敗しました。被験者が内部に立ち入ってから数秒後、投影機が起動し、プラネタリウムの上映が開始されます。上映時間は約一時間であり、このプラネタリウムを観賞していた被験者は「美しい」「いつか本物を見たい」と言った欲求を口に出します。この時、被験者は非常に強い興奮状態に陥り、少なくとも聴覚に関連する事象へは無視を続けます。その後、プラネタリウムの上映が終了すると同時に、被験者及び被験者が身に着けていた固体はその場から消失します。その数時間後、被験者が身に着けていた固体のみが再びSCP-915-JP内に出現します。当該物品は、消失時と比べ変化は見られませんでした。

補遺1: 201█/█/██、SCP-915-JP内部に当該オブジェクトの異常性により行方不明となっていた女性が倒れている事を職員が発見し、回収しました。身体検査の結果、特に問題が見られなかったため、インタビューの後にAクラス記憶処理を行い開放、カバーストーリー「誘拐事件」を適用した後に、女性は元住んでいた家庭へと復帰しました。

対象: SCP-915-JP内部で発見された女性(以下、SCP-915-JP-1)

インタビュアー: ██研究員

<録音開始>

██研究員: では貴方がプラネタリウムに入ってからの事を思い出してみてください。

SCP-915-JP-1: はい……プラネタリウムが終わると同時に、強い眩暈がして、気を失ってしまいました。

██研究員: 目覚めた時、周りの様子はどうでしたか?

SCP-915-JP-1: 周りの様子は……女性だけが一か所に集まっていて、男性は一人もいませんでした。

██研究員: 何故、女性だけが一か所に集まっていたのですか?

SCP-915-JP-1: この場所に来た途端、男性は皆、甘い匂いがするとその原因を探しに行ってしまった……と、私の隣にいた人が説明してくれました。

██研究員: 甘い匂い……なるほど。この場所、というと。

SCP-915-JP-1: 宇宙……なのでしょうか。周りでは小さな光が沢山光っていて、空は真っ暗でした。

██研究員: 呼吸は可能でしたか?

SCP-915-JP-1: ……確かに今思うと不思議です。どうして私たちはあの場所で生きていられたのでしょう。

██研究員: ありがとうございます。では、続きをお聞かせください。

SCP-915-JP-1: 暫くはその場でじっとしていたんですけれど、女の子の一人がぐずりだしてしまって。その子の父親を、全員で探しに行こうと。

██研究員: それで移動したんですね。移動してみて、地形に変化などはありましたか?

SCP-915-JP-1: そう、ですね。その場所から少し歩いたところから、段々、つまづきそうになるような……その、盛り上がっている……

██研究員: 隆起、ですか。

SCP-915-JP-1: はい。棒状に隆起した地形が多くなりました。途中、つまづいて何本か折ってしまったりしたんですけれど……

██研究員: ふむ……その後は?

SCP-915-JP-1: はい。そうして暫く歩いた後でしょうか。私たちは男の人を見つけました。

██研究員: その男の人は無事だったのですか?

SCP-915-JP-1: ……とても、無事と呼べるような状態ではありませんでした。男の人が……を食べて……(右手で口を押さえる)

██研究員: ……██さん?(SCP-915-JP-1の本名)

SCP-915-JP-1: ……トイレを……お借りしても、よろしいですか。

██研究員: はい。

[SCP-915-JP-1が15分ほど退出する]

SCP-915-JP-1: ……戻りました。

██研究員: お体の調子が優れないようであれば、インタビューは後日に……

SCP-915-JP-1: いえ、大丈夫。大丈夫です。あの時の事を思い出したら、気持ち悪くなってしまって……

██研究員: ……続けていただけるのであれば、お願いいたします。

SCP-915-JP-1: 彼が正気ではない事はわかったので、Uターンして元いた位置に戻ろうとしたんです。そうしたら……

██研究員: そうしたら?

SCP-915-JP-1: 地面が……地面が急に割れて、間に、みんな、落ちて……

██研究員: ……気が付いたらあの場所にいたと。

SCP-915-JP-1: そうなります。……実は映画の撮影か、何かだったんですか?

██研究員: そうですね。では、ご協力いただき、ありがとうございました。

<録音終了>

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